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火事のお話 土は燃えるか その1

 大きなサイレンの音が街に響いています。どうやら近くで火事があるらしいです。
「コペルおじさん、なんだか近いみたいだよ! 見に行こうよ!」
ふうちゃんは縁側からサンダルをつっかけて、もう表にでていってしまいました。

 ある土曜日、小学校四年生のふうちゃんは近くに住む大学院生のコペルおじさんの家に遊びに来ていました。おじさんから借りた本の話を書斎でしていると、外から大きなサイレンの音が聞こえてきたのです。
*   *   *   *
「すごかったね。消防のおじさんや消防車、あんなに近くで見るのはじめてだよ」
ふうちゃんは火事場を見るのが初めてらしく、ちょっと興奮しています。
「まあ、おちつきたまえ。さ、ジュースでも飲んで」
ジュースを飲んだら少し興奮が冷めたようです。
「それにしてもあんなに水をかけるものなんだね。火が消えたのにたくさんかけていて、火事場に起きた洪水跡みたいだったよ」
ふうちゃんは今見てきた事をコペルおじさんに説明しています。

「ところでふうちゃん。今の火事で火が消えたのはなぜだと思う」
コペルおじさんがにこにこしながら質問してきました。 いつものコペルおじさんの質問です。ふうちゃんはまってましたとばかりに答えを考えました。

「うーん、水・・じゃないのかなぁ」
「うん、そうだね。今の火事は消火栓の水で消し止めたよね。じゃ、水の他の物で今みたいな火事を消すとすれば何がいいと思う?」
ふうちゃんはちょっと考えていました。ふと庭を見て、
「そうだなぁ。ちょっと現実的じゃないけど、たくさんの土を上からかけるの。それと泡かな。洗剤の泡みたいな物をたくさんかけるの」
「うん。なかなか良い考えだね。たしかに土は現実的じゃないけど消えそうだね、泡は消火器でもあるからこれはもう現実にあるよ」
「うん。学校の安全教室で泡の消火器の事を習ったことがあるよ」
「じゃあふうちゃん、一つ聞くけど、どうして火は燃えるのかな」
ふうちゃんはやったと思いました。なぜって、この間学校で火災訓練があり消防署のおじさんから色々な事を聞いていたからです。
「一つは燃える物があるからだよ。紙とかガソリンとか。もう一つは酸素だったかな。この二つがあって火が燃えるんじゃなかったかな」
「正解。でももう一つ大切な物があるよ」
ふうちゃんはジュースを一気のみにして答えました。
「あ、そうだ! きっかけだぁ。燃える物、酸素、それにそれが反応するきっかけが必要だ!」
「大正解!」

 ふうちゃんは満足そうです。コペルおじさんも満足そうです。ふうちゃんは得意そうにストローを口にくわえています。そこでコペルおじさんはふうちゃんに聞きました。
「ふうちゃん。それじゃあもういちど聞くけど、火を消し止めるにはどうしたらいいかな」
「んとね」
ふうちゃんはさっきの火事の事を思い出しながら考えました。
「水をかけるかぁ・・あ、温度を低くするだ! それと燃える物をなくすかな」
「だいぶいい線いっているよ。あと一息だね。酸素だよ。燃えるということは化学反応が行われているということなんだ。だからふうちゃんが言ったように反応温度を低くすると消える。燃料がなくなればもちろん消える。そして、その反応には全て酸素が必要なんだ。だから酸素を無くす、が正解なんだよ」
「ふうん。 あ、そうか! 江戸時代の火消しは燃え広がらないように周りの家を壊していたし、それに消火器の泡や消火栓の水は温度を下げたり酸素を断ち切るためにかけるんだ」
「そうそう」
コペルおじさんはにこにこしながら答えました。
「一番よいのは火の取り扱い時には注意を怠らないようにすることなんだよ」

 コペルおじさんとふうちゃんはしばらく火事や消防について話をしていました。ふと、おじさんがふうちゃんに聞いてきました。
「ふうちゃん、きみはさっき火を消すには土をかけるといいって言っていたけど、それは酸素を断ち切る為にかける、という事だよね」
「うん、そうだよ」
「・・・ふうちゃん、ところで土は燃えない物なのかな」
「えっ!」
ふうちゃんはびっくりしました。だって土は燃えない物だってさっきまで話していたからです。
「そんな事考えたことないなぁ」
「はは、もちろん燃料みたいに燃え上がることはないよ。じゃあ、明日の日曜日、もう一度おじさんの家に遊びに来たまえ。ちょっとした実験をして見せるから」
*   *   *   *
 ふうちゃんは明日の日曜日にコペルおじさんの家に行くことを約束してお家に帰っていきました。
さて、みなさん。コペルおじさんが言うように本当に土は燃えるのでしょうか?
ふうちゃんと一緒に考えてみてください。

 火事のお話 土は燃えるか つづく

 風来坊

 

 
 

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