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流れ星みつけた ふうちゃんの夏休み その2

 

 小学校四年生のふうちゃんは、なかよしの学校のお友達とコペルおじさんとで、ふうちゃんのお父さんの葉山の別荘に来ています。
仲良しのみんなでお泊りをするのは初めてで、ふうちゃん、典生くん、まりおくん、今日子 ちゃん、そして千香ちゃん達はとてもはしゃいでいます。日が暮れるまで海で遊び、今は花火をするためにみんなと砂浜に来ています。

「さあ、最後は大きな打ち上げ花火だよ。みんなさがって」
コペルおじさんは大きな筒の花火を砂浜に差し込み、導火線に火をつけました。 花火に火が付き、大きな音とともに虹色の火花が空に上がりました。
最後の花火が終わると、急に静かになり、さざなみだけが聞こえてきます。
みんな何も言わ ずに波の音を聞いています。
「さあ、別荘に戻ろうか」
みんなこの静寂の時を楽しみなら、戻っていきました。

 別荘に着いて、二階の広間にみんなが集まっています。
大きなベランダの外に出ていた千香ちゃんが夜空を見ながら
「あ、流れ星!」
と言いました。
するとみんながベランダに出てきました。
「とっても星がよく見えるわ。あ、あれははくちょう座ね」
千香ちゃんが指をさしながら言いました。
「千香ちゃん、星座にはくわしいのかな」
コペルおじさんが聞きました。
「わたし、星が好きで特に神話のお話は好きなの」
「へえ、千香って星も好きなんだ」
今日子ちゃんが言いました。
「うん。星座・・特に神話を読んでいると、一つ一つの星座が話でつながっていてとても面白いの。なんだかわくわくしちゃうの」
「そんなもんかね」
「ねえ、千香ちゃん。北極星がどれだかわかる?」
てんちゃんは夜空を見上げ、手を頭の後ろで組みながら言いました。
「うん・・ほら、こっちが北側でしょ。北斗七星はわかるかしら。あのひしゃく形の星座ね。あのひしゃくの先を五つ伸ばした所の星が北極星よ。こぐま座の星なんだけど、星が暗いからこぐま座はよくわからないわ」
千香ちゃんは説明しました。
「そうだね。こぐま座の星は二等星から三等星の集まりなので葉山じゃ明るすぎてよく見えないね」
コペルおじさんが千香ちゃんの話を補足しました。
「じゃあ、千香ちゃん。夏の大三角形ってわかる?」
コペルおじさんは夜空を眺めながら聞きました。
「うん、わかるわ。さっき言ったはくちょう座の一等星のデネブ、わし座の一等星アルタイル、こと座の一等星ベガで描く三角形のことだわ」
千香ちゃんはすらすらと答えました。
「あ、わかった! あれが夏の大三角形なんだ!」
てんちゃんは見つけることができたらしく、とってもよろこんでいます。
「一つの星座を見つけるとそこから次々と見つけることができるから不思議だね」
コペルおじさんも夏の大三角形の位置を指で示しながら言いました。
「天の川もうっすらだけど見えるわね」
今日子ちゃんもじっと星を見つめながらつぶやきました。
「じゃ、千香ちゃん。七夕さまのお話を知っているかい」
「うん。知っているわ。天の川をはさんで、左側のわし座のアルタイルが『ひこぼし』。右側のこと座のベガ が『おりひめぼし』ね。一年に一回、七夕の日だけ出会うことができるお話でしょ」
「そうだね。みんなが知っている七夕のお話だね。じゃあ、どうして一つの星に二つの名前が付いているか、 知っているかい?」
コペルおじさんはみんなに聞きました。
「う・・ん。ただ名前がついているだけだと思っていたわ」
千香ちゃんもわからないようですね。
「ははは、そんなに難しくかんがえなくて大丈夫だよ。『ひこぼし』、『おりひめぼし』は中国から伝わったもので、『アルタイル』、『ベガ』は西洋から伝わったもの、日本は中国からの影響が強かったので二つの名前 があるんだよ」
「なるほどね。言われてみたらそうだね」
ふうちゃんも感心して聞いています。

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「ところでみんな、北極星がわかったところで、南極星ってあると思う?」
コペルおじさんはみんなに聞きました。
「聞いたことないなぁ。ねえ、ふうちゃん」
「うん。てんちゃん。聞いたことないし、だいたい南の星座なんて日本じゃ見られない星座もあるからわからないよ」
「ねえ、おじさん。どうなの?」
ふうちゃんが聞きました。
「今はないよ。南極上の星座も三等星から六等星の暗い星ばかりで星座を形成しているので目印もはっき りしていないのだよ。ただし南十字星が南極方向の目印にはなっているよ。でもね、これからはできるんだよ」
「へえ! これからって、僕達も見ることができるのかな」
てんちゃんが聞きました。
「今から約一万二千年後に見ることができるよ」
「えーっ。なんだぁ。じゃ、見ることは出来ないじゃん」
「でもね、そのときはこと座のアルファ(タナバタ)が北極星で、南極星はアルゴ座のアルファ(老人星 )が輝くのだよ。どちらも一等星だからとても美しい光がみられるはずだよ」
「その時もこんなふうに夜空をながめることができるのかしら」
千香ちゃんがつぶやきました。
「それは君達しだいだよ。君達がよりよい時代を作り、その気持ちを未来にたくせば大丈夫」
「おれ、自信ないなぁ。勉強あんまりすきじゃないし」 てんちゃんがつぶやきました。
「ははは、大丈夫だよ、てんちゃん。人間だれでも得意な物は一つぐらいはあるから」 まりおくんが言いました。
「あ、まりお。きついなぁ」 みんな笑っています。
「あ、流れ星!」 みんな、それぞれの願いを託しているようですね。

*   *   *   *   *   *

 次の日、みんなは海に出て思う存分楽しみました。 夕方になり、別荘のお庭の先の海に近いところでバーベキューパーティーがはじまりました。
テーブル、いす、バーベキューコンロなどがあり、その中央には大きなキャンプファイヤーがパチパチ音を たてながら勢いよく燃えています。 ふうちゃん達は管理人のおじさんやコペルおじさんに焼いてもらったブロシェットをほおばっています。
 キャンプファイヤーの炎がみんなの顔を赤くてらしていて、昨日今日ですっかりたくましく黒くなったみんなは なんとなく都会くささがぬけて本来の小学生に戻ったようです。コペルおじさんもアウトドアが大好きなので みんなの仲間となりはしゃいでいます。
  食事が終わり、キャンプファイヤーの炎も小さくなりました。ふうちゃん達は炎をかこんで座っています。
「ああ、もうお腹いっぱい。たべすぎちゃったぁ」
てんちゃんがお腹をさすりながら言います。
「とってもおいしかったわ。それにこんなキャンプファイヤーなんてはじめてで、とても楽しいわ」
千香ちゃんが言いました。
「本当ね。キャンプファイヤーなんて学校じゃできないもの。私達の先輩は林間学校があったらしいけど、私達にはそんなのなかったしね。こんなに楽しいのに」
今日子ちゃんが言いました。
「そういえば、まりおくん。ゲームあるのにそんな話もしないね」
ふうちゃんがまりおくんの方に向きながら話しました。
「え、まあ・・ね。たまには自然を満喫するのもいいかな、とね」
鼻の頭をかきながらまりおくんは恥ずかしそうに言いました。
「なまいき言ってら」
てんちゃんはまりおくんの頭をこづきながら言いました。
「ははは」
屈託の無い笑いが夜空に響いています。
ふと気づくとコペルおじさんがいません。
「あれ、コペルおじさんどこへいったのかな」
ふうちゃんはあたりを見回しました。
「おーい、みんな。こっちへきてごらん」
コペルおじさんが別荘に近い芝生のはえた場所で呼んでいます。
おや、芝生の上には大きなシートが敷いてあります。みんながおじさんのそばに集まりました。
「おじさん、なにやってるの。これは何?」
「みんな、このシートの上に寝っころがってごらん」
コペルおじさんを真ん中にみんな一列に並んで寝ころがりました。 さっきやっていたキャンプファイヤーも管理人のおじさんが火を消してしまいました。 フッと、別荘の明かりと街灯が消えました。
「わー、まっくらになっちゃったぁ」
怖がりの今日子ちゃんはふうちゃんの腕にしがみつきました。
「今日子ちゃん、大丈夫だよ。みんないるから」
ふうちゃんは今日子ちゃんをなだめるように言いました。
「さあ、みんな夜空を見てごらん。今はそんなに星が見えないかもしれないけど、10分もすれば目が慣れて たくさんの星を見ることができるよ」
ふうちゃん達は静かに星を見ています。
「あ、また流れ星だわ!」
今日子ちゃんが言いました。
「え、どれどれ。わかんなかったぁ」
てんちゃんは見つけることができなかったみたいですね。
「てんちゃん。流れ星は1時間に10ぐらいはあるから、一つの星を見るんじゃなくて全体を見るようにすれ ばかならず見えるよ」
「よーし、今度はみつけるぞ!」
てんちゃんは寝ころびながら両手を上にあげました。
「お、見つけた! あれ、全然消えないよ。UFOだぁ」
みんなくすくす笑っています。
「てんちゃん、あれはUFOじゃなくて人工衛星だよ」
「なんだぁ。でも、人工衛星って目で見ることができるんだね」
「そうだね、地球のそんなに遠くないところで回っているからね」
「でもなんで昼間は見えないの?」
今日子ちゃんが聞きました。
「それは、昼間に星が見えないのと同じで、太陽の光が明るいからだよ。ちゃんと人工衛星は回っているし、星だって輝いているんだよ」
「ああ、そうかぁ」 みんな納得したようです。
「あ! 今度は見た! 流れ星」
てんちゃんが指をさしながら言いました。
「うん。僕も見たよ。それにしても大きな流れ星だったね」
ふうちゃんも見たようです。 別荘の周りは林になっていて、反対側は海になっています。ふうちゃん達のいるお庭には人工的な光が入ってこないので夜が更けると星がよく見えます。 みんな、本や雑誌のグラビアなどでは星の動きを見ていますが本物をこんなにじっくり見るのは初めてのようで、とても満足しているようです。  

 だいぶたってからふうちゃん達は別荘に戻っていきました。
お風呂を済ませて、二階の広間に集まっています。
「みんな、今回の旅行はどうだった」
コペルおじさんが聞きました。
「うん。とっても楽しかった。こんなに海で泳いだの久しぶりだし、星のお話も楽しかったよ」
ふうちゃんが言いました。
「僕は寒暖計の話が不思議だったね。学校にいったらみんなにするんだ!」
てんちゃんが言いました。
「僕は・・やっぱり海かな。あんまり泳げなかったけど体を浮かすことができたし」
「まりお、浮くことだけはできるようになったね」
てんちゃんがつっこみを入れます。
「いいじゃないの。浮くことだけだって進歩よ」
今日子ちゃんが言いました。
「わたしはね、千香が星にくわしいなんて知らなかったからびっくりしちゃった。さっき本物の星を見てわたしも家に帰ったら色々調べたくなっちゃった」
「今日子ちゃんは理科、苦手だったからね」 千香ちゃんが言いました。
「わたしも星を見たのが一番よかったかな。おうちでは周りが明るくてこんなに星があるなんて知らなかったし。でも海も楽しかったわ」
「そうそう。でさぁ・・・」

  仲間達と過ごす最後の夜なのでみんな楽しそうにおしゃべりをしています。コペルおじさんはだまったまま聞いています。

みんな最高の夏休みを過ごしたようですね。

ふうちゃんの夏休み その二 流れ星みつけた おわり (完)

あとがき
 ふうちゃんの夏休み二部作、いかがでしたでしょうか。一部が「体感温度」二部が「星の観察」 両方とも 小学校4,5年生で扱う内容です。
 ふうちゃんとその仲間達、楽しみながら書くことができました。また機会があったらみんなを登場させたいと思います。  風来坊

次回予告
 四月に種を蒔いた朝顔がすくすく成長して大輪の花を咲かせています。ふうちゃんとコペルおじさんは朝顔を使って実験をしているみたいです。どんな 実験かな。お楽しみに。

 

 
 

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